言の葉研究所

世の中の発言・名言・歌詞について考える

空白の時間を作るということ

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また今回も中村咲太さんの動画を見ていました。

 

特にビビッと来たのは、「空白の時間を作りましょう」という趣旨の動画。

 

動画で言われていた空白の時間は、無意味な時間とも言われていました。ただ、意味のないことをしよう、というよりは、意味のあることにとらわれずに、たとえそれに意味がなくても、自分が心地よくあれることをしよう、というような表現をされていました。

 

そのように空白の時間を作るとその時間は「無」なので、無限に色々なものを生み出せるのだ、と。具体的に言えば閃きとかアイデアとかそういうもの。

 

でも、「意味のあることをしなきゃ」という感覚があると、意味のないことをすることが難しい。その根底には「このままではダメだ。意味のあることをしないと進歩しない」という意識がある。

 

ちょっと前に書いたような「自分は大丈夫」という意識があれば、たとえ一般的に見て価値のないことをやっていようとも、「自分には価値がある」と思える。これがあれば、安心して空白の時間を過ごすことができる。そして、より多くのエネルギーを発する何かを生み出せる。

 

kazesaying.hatenablog.jp

 

ちなみに動画には中村咲太さんの友達で通称「スティーブン」さんが登場するんですけど。

 

ティーブンさんはこの空白の時間の力を理解した上で、使ってみようとしたけれど、うまくいかなかったという事例を話してくれていました。

 

事例その1。

 

「1年間、空白の時間を作る」ということにして、仕事もやめて空白の時間を持った。

朝日を浴びて、ただのんびりゆっくりと過ごすようにした。

でも結局生活がうまくいかなくなってしまって、元の生活に戻った。

 

事例その2。

 

メルマガを書いているが、いい内容が思い浮かばない。

そこで「そうだ、空白の時間を作ろう」として2時間くらい何もしない時間を作る。

しかし、特にいいアイデアは湧いてこない…。

 

この2つの事例は非常に興味深いものでした。ただ闇雲に「空白の時間を作る」ことが、必ずうまくいくわけではない。

「空白の時間を作って何かを生み出すぞ」という気持ちがあるので、結局「意味あること」にとらわれている

それを捨てることが肝要。ただ真似すればよいのではない、この考えは本当に奥が深いです。

 

この話を聞いて、私は心屋仁之助さんを思い出しました。

 

その動画は評価の分かれる動画でしたが、心屋さんが悩み相談を受け答えする動画で、ある方の相談で次のようなやり取りがありました。

 

相談者:

心屋さんが「遊んで!」というので、仕事の予定をキャンセルして、お金にあまり余裕もなかったが、自分のやりたいところ・行きたいところに行って遊んだ。

遊ぶのは楽しいが、普段の生活が一向によくならない。辛く苦しい状態が続いている。どうすればよいか。

 

心屋さん:

僕はそれでもとにかく「遊んで!」と言いたいが、遊んでうまくいく人と、遊んでるのにうまくいかない人がいる。

…なんでやろな?

 

(※内容は全く私の記憶違いである可能性があります)

 

心屋さんは「自分は素晴らしいと認めて自分の好きなことをしよう」というような主旨のメッセージを発信されていますが、この動画の当時はまだ不思議な部分があった模様。

 

確かに「遊ぶ」ことは大抵無意味で、しかし自分がやりたいこと、自分らしくあれる大切なことだと思います。

でももし実際の状況として、「今月も家計が厳しい」という場合、遊びに行ってもその心配を100%手放して遊べるでしょうか。多分、難しいと思います。

その状態では結局「現実をよくしたい」という気持ちがあり、そのために「遊ぶといい」と言われたから遊んでいる。なので、うまくいかない。

 

そういうときはまず現実的に家計をなんとかするのが大切であって、安心できる状態になってから初めて、自分の好きなことでめいっぱい遊ぶ。

そのようなプロセスを踏むのが重要なのではないかと思います。

 

自分は大丈夫。安心して生活できる。

自分は大丈夫。自分には価値がある。

 

この2つが腑に落ちた状態で、空白の時間を持つ。それは、ただその瞬間を楽しんでいると言ってもいい。何の狙いも意図もない。

その時にきっと、奇跡が起こる。手放したはずのものが、与えられる…。

 

これを体感するために日々を生きていると言ったら、なんだかワクワクしてきませんか。

人生の精神的なゴールに定めてもいいかもしれないなと、私は思います。