藤井風がリリースした"青春病"の一節に、「青春はどどめ色」というフレーズがある。
どどめ色ってどんな色なのだろう?と思った人も少なくないのではないだろうか。筆者もその一人だ。
調べた結論から言うと、そんな野暮なこと聞きなさんな、である。おそらく本人に聞いてもそのようなコメントが返ってくるのではないか。
まず、「どどめ色」というのは方言である。地域により指しているものは異なるようで、共通的に「この色」という固定的な色の概念はない。
ただ、一般的には桑の実のようなどす黒い色を指すようで、青ざめた唇や青アザの表現を指すこともあるなど、抽象的に「ネガティブを指す色」であるようだ。
(地域によっては卑猥な意味合いもあり、タブーに近いのだとか。)
こんな色。(一例)
もはや、黒である。
さて、例えばアンケートをとって「青春を色で表現してください」と言われたら、皆さんはどのような色を描くだろうか。
純粋無垢であるという感じ。甘酸っぱい感じ。若々しくて、まだ未熟で、青臭い感じ。
おそらく、青を中心に青緑や黄色などを用い、爽やかな色で描かれることが多いのではないだろうか。
では、藤井風さんの答え↓
藤井風は「どどめ色」である。爽やかな色とは程遠い。そこには、忌むべきものという意思すら感じられる。
藤井風さんはまだ23歳という若さ。いまも青春の最中と言ってもいいのではないかとおっさん目線では思ってしまうが、彼の精神年齢はもっと高いのだろう。
この曲から感じられる迷いには理想と現実の乖離があり、現実世界での経験量が彼の精神に追い付いていないのでは…とすら思える。
その迷いを断ち切りたくて、青春に名付けた色が「どどめ色」。もう、そんなものに執着しない、惑わされない。わしはもっと次のステージに行くんじゃ、という魂の叫びが聞こえてくるようだ。
迷いながらも前に進もうとする藤井風さんの今後の活躍にますます目が離せない。